みんなの自転車「姫ちゃり」体験記♪
人と街をつなぐコミュニケーションツール。金沢レンタサイクルまちのり。
今回も、先週の「ちよくる」に引き続き、他都市のコミュニティサイクルをご紹介します。
このたび、10月1日~11月30日までの期間限定で行われている「姫路市コミュニティサイクル社会実験2014」を体験してきました。その名も、”みんなの自転車「姫ちゃり」”。
各メディアでも取り上げられており、かなり好調とのこと。その真偽を確かめるべく、突撃取材に行ってまいりました~♪
姫路市といえば、やはり、世界遺産の「姫路城」ですよね。まず、姫路駅に下り立つと、現在も進行中の駅周辺整備により、姫路城を眺められる眺望デッキや芝生広場、サンクンガーデンなど、歩行者中心の素晴らしい環境空間が生み出されていることに気づきます。
▼姫路駅前に出現した眺望デッキ。地場産の杉が使われています。
▼眺望デッキからの眺め。姫路城が真正面に!
▼写真撮影スポットにもなっています。
▼駅前の広々とした歩行空間。
▼いろんなイベントが行われている芝生広場。
▼潤い豊かなサンクンガーデン。新たな憩いの場ですな。
と、少し前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ本題へ。
駅前の広々とした通りを姫路城の方向に少し歩くと、歩道上に「①姫路駅前ステーション」を発見!難なく辿り着くことができます。大きな垂れ幕や戦国時代を彷彿とさせる大きなのぼり旗があるのでわかりやすいですね。
▼こちらが「①姫路駅前ステーション」。
「よーし、自転車借りてみよー!」と意気込んでおりましたが、自転車が3台。2人のお客様が受付中で、1人が受付待ち。そうです、目前で自転車が無くなってしまったのであります。先ほど、「好調の真偽を確かめる」と書きましたが、いきなりその好調ぶりを目の当たりにしました。
▼受付の様子。忙しそうで何よりです!
少し残念でしたが、せっかくなのでお姉さま方に簡単な取材をさせていただき、サービスの状況などをうかがいました。サービス時間は9時30分~17時30分、料金は1日100円、追加料金は無し。中学生以上であればどなたでも利用することができます。サイクルステーションは6箇所ですべて有人対応。自転車は合計60台で、そのうち半分を駅前ステーションに配置しているそうですが、特に休日はあっという間に出払ってしまうそうです。この取材中にも、複数のお客様が来られ、最寄りのポートをご案内されている様子が見られました。いや~、恐るべし「姫ちゃり」。お忙しい中、怪しげな男の突撃取材に快くご対応いただきました素敵な女性スタッフの皆様、ありがとうございました!
▼女性スタッフの皆様、ご協力に感謝です☆
▼登録時に渡すマップとカードも撮影。ロゴがカワイイですね♪
気を取り直して、最寄りの「②大手前通ステーション」まで歩くことに。すると、徒歩数分で到着。やった!自転車が2台ありました!ここで、先ほど女性陣に教わった登録手続きを行いました。
まずは申込用紙に必要事項を記入し、身分証明書を提示。そして、注意事項に関する説明を受けた後、回遊マップ、カード、自転車の鍵が渡されます。登録時間は数分。簡単ですね♪自転車番号は「1」。小さなことですが、ちょっと嬉しいですね♪
▼こちらが「②大手前通ステーション」。
▼こちらが申込用紙です。
▼注意事項の説明。丁寧です。
▼駅前は「押しチャリ」であることも。徹底しています。
▼発行していただいたカード。
▼自転車は、姫路城と同じくホワイト。いいですねぇ~!
▼もちろんTSマークが貼ってあります。
サドルの高さを調整し、いざ、姫路城方面へGO!
当然、どこの街にいっても「車道の左側端」を通行します。ひと際目を惹いたのは、外国語標記の案内看板。さすがは国内有数の観光スポットを有するまち、ホスピタリティも充実しています。姫路城周辺には年間150~200万人が訪れるとのことで、外国人観光客もほんとにたくさん見られます。この対応力、金沢も負けていられませんね。
▼外国語標記の案内も充実。
▼ペダルをこぎ進むと、あっというまに姫路城のたもとへ。
姫路城の前の信号を左折してしばらく進むと、大手門駐車場に隣接したところに「④姫路城前ステーション」があります。ここでもお話を伺うと、駐車場にクルマを置いて「姫ちゃり」に乗り換える「パーク&サイクルライド」をする人や、外国人観光客の利用も多いとのこと。また、自転車の再配置は、なんとタウンエース1台で、スタッフ1名が対応しているとのこと。かなりハードワークですな・・・。まちのりスタッフも経験する御苦労・・・身にしみてわかります。
そして、駅前に新しくオープンした商業施設「ピオレ」にあるアウトドアショップ「AIGLEピオレ姫路店」等とのタイアップで、リーフレットと姫ちゃりカードを持っていくと、特典が当たるという取組もされているとのこと。しっかりと街とつながる意識があり、感銘を受けました。素晴らしい!
▼こちらが「④姫路城前ステーション」。
▼スタッフの法被もいい感じですね♪
▼お店とのタイアップも。人と街をつなぐ意識に共感!
気持ちの良い秋晴れの中、多くの方々が姫路城周辺を往来されており、大手前公園では大きなイベントも行われていました。駅前のスタッフさんが「金沢と違って、ここには姫路城しかないから・・・。」と心配されていましたが、その求心力をしっかりと波及させようとする意気込みが、周辺の商店街などからも伝わってきました。
▼姫路城周辺。紅葉もすっかり色づき、見ごろを迎えております。
▼大手前公園の様子。
▼本町商店街ではコスプレの方々が!
滞在可能時間はわずか1時間。非常に短時間ではありましたが、急ぎ足での突撃取材を無事に終え、姫路駅前ステーションへと帰路に。途中、「一般車進入禁止」の看板があり、駅前は公共交通しか入れないトランジットモールとなっていることを知りました。姫路駅前恐るべし!
▼駅前は「一般車進入禁止」。
▼そして、歩道上は「押しチャリ」。降りて通行しましょう!
姫路駅前ステーションは、相変わらずのにぎわい。登録者の列ができており、大人気でございました。返却後、アンケートに応えると、缶バッジをGETできます!そして、10回以上利用した方には、オリジナル手ぬぐいが!いいなぁ。。。
▼大人気の駅前ステーション。
▼アンケートに応えて缶バッジGET!
▼10回利用するともらえるオリジナル手ぬぐい。
そして最後に、せっかくなので「AIGLEピオレ姫路店」へ。店員さんに声をかけると、快く招き入れて下さり、特典のピンバッジと手帳を見せてくれました。ステーションにあったリーフレットと姫ちゃりカードを提示すると、実験期間中、無料でもらえてしまうのです!ちなみに僕は手帳をいただきました。本当にありがとうございました♪
▼AIGLEピオレ姫路店。ピオレ4階です。
▼特典のピンバッジor手帳。心意気が素晴らしすぎる・・・。
以上、駆け足での「姫ちゃり」体験記でございました。
実は、我々まちのりチームも、今から4年前の平成22年9~10月にかけて、同様の社会実験を実施した経験があります。あれから時がたち、本格導入してから早くも2年半が経過。今では金沢の新たな公共交通として定着してきています。
今回、「姫ちゃり」を利用して、実験当時の苦労や感動がどどーっとよみがえってきて、初心を思い出すことができたように感じます。
まちのり社会実験では、ポート10箇所(すべて有人対応)、自転車100台を準備して行い、姫ちゃり同様かなりの人気となり、多数のメディアに取り上げられました。
企画・運営者として何より嬉しかったのは、「自転車を媒介として、人と人、人と街がどんどんつながっていく」という実感が得られたことでした。また、スタッフが街に出て、ユーザーや街のプレイヤーの方々と接することで、まちの息吹に溶け込み、新たな発見やアイデアが生まれる・・・こんなに素敵なことはないなぁと実感することができたのです。
数年前、イギリス・ロンドンの「ボリス・バイク」(バークレイ・サイクルハイヤー)を運営する担当者が、コミュニティサイクル事業を「Wonderful chance」(素晴らしい機会)であると表現していたことを思い出します。
コミュニティサイクル事業は一般的に採算が厳しく、管理運営の現場の苦労もあり、提供側としては見た目以上にハードワークが要求されるサービスです。しかし、それ以上に大きな感動を得られる、または与えられるサービスであり、人と街を元気にする力があるコミュニケーション・ツールであることを実感しています。
きっと、「姫ちゃり」の未来も明るいのではないでしょうか。今回の社会実験の結果を受けて、本格実施に至り、姫路市の新たな公共交通として定着することを願っております。
いやー、長文になり申し訳ありません。最後までご覧いただいた皆様に特典は・・・ありません(笑)。初心を忘れず、これからも頑張っていきたいと思います。
「街の利」を追求する金沢レンタサイクル「まちのり」も引き続きよろしくお願いしますね♪ではまた。