体験!デンマーク式自転車教室♪【前編】
人とまちをつなぐコミュニケーションツール。
金沢レンタサイクルまちのり。
本日午前中に、日本海側で初となる「デンマーク式自転車教室」が開催されました!今回のまちのりブログでは、スタッフとして参加したわたくしのほうから、その模様についてお届けしますね。
デンマーク式ということで、講師はもちろんデンマークの方。
「Cycling Embassy of Denmark」(デンマーク自転車大使館)より、ロッテ・ベックさんをお迎えし、デンマークで実際に取り組まれている自転車教室を金沢市内の北部公園で開催していただきました。
日本語的に言うと「自転車教室」となってしまいますが、ロッテさんの説明では「Cycling games」(自転車ゲーム)と表現されています。これは国内でよくみられる一方的な指導ではなく、子どもたちが自転車を通じて自主性や社会性を育むための「遊び」です。この遊びを通じて、環境に優しく健康にも良い乗り物である自転車を好きになり、将来にわたって上手に利用してもらうための取り組みです。
百聞は一見に如かず。以下、写真でどうぞ!
▼このような概要となっております。今回の「前編」では、子どもたちとの実践内容についてお届けします。ちなみに「後編」は、ロッテさんによる貴重な講義の様子をお届けしますよ♪
▼朝9時過ぎの受付の様子。子どもたちにはヘルメットを着用してもらい、そのヘルメットに名前を書いた紙を貼ります。こうすることで、インストラクター(スタッフ)が名前で呼びやすいようにします。良い工夫♪
▼総勢23名の子どもたちが参加。なお、上に掲載したチラシには「親子」と入っていますが、基本的には介入しません。子どもたちの自主性を引き出すことが狙いなのであります。皆さんの日頃の行いの良さから、とっても良い天気に恵まれました♪
▼こちらがロッテさん。建築家・都市計画課。Urban Cycle Planning、デンマークサイクリング大使館、デンマーク自転車連盟国際委員会委員。1998~2010年にはコペンハーゲン市交通部門で自転車文化のプロジェクトマネージャーを経験。近年では、ボゴタ、メデジン、リマ、メキシコシティ、リオデジャネイロ、クリチバ等の南米主要都市で教室開催を支援されています。
▼進行役&通訳は、地球の友・金沢代表の三国千秋先生。北陸大学の名誉教授であり、まちのり事務局としては「金沢サイクリングツアーin直江谷」なども含め大変お世話になっております。いつもありがとうございます!
▼そして、全体説明は地球の友・金沢の三国成子さん。三国千秋先生とともに、金沢の自転車施策を牽引するとともに、国ガイドラインの検討委員会委員を務めるなど、大活躍されています。
▼こちらが全体像。子どもたちが年代別に3つのグループに分かれて、4つのゲームを一定時間ずつ順番に行っていくスタイル。
▼まずはみんなで準備体操から。
▼こちらは年長さん以下の一番小さな「Aグループ」
▼こちらは保育園・幼稚園の年長さん~小学1年生までの「Bグループ」
▼こちらは小学校2年生以上の「Cグループ」
▼一番年下のAグループは、まず、自転車に乗らずにシャボン玉を追いかけるゲームから。ハエタタキ片手にシャボン玉を追いかけて猛ダッシュ!
▼慣れてきたところで、次は各自の自転車やストライダー(ペダルやブレーキが無い足で漕ぐ二輪車)をあやつり、シャボン玉を身体を使ってつぶすゲームに。少しずつ運動の質を高めていきます。
▼こちらBグループでは、「ストップ・オン・ザ・リング」の説明中。スタッフがタンバリンを鳴らしている間は自由にリングを踏まず自転車で動きまわり、タンバリンが止まるのにあわせて、輪っかの中にタイヤを入れてストップするゲーム。Aグループより年上なので、少し動きの難易度が高いですね。
▼こちら最年長のCグループは、さすがの自転車さばき。2年生以上にもなると補助輪無しでスイスイ。
▼地面に描かれた曲線コースにそって運転。カーブがきついところもあり、みんな慎重にペダルをこいでいました。
▼さらに、2本の直線が引かれた間をまっすぐに走るゲーム。最初はふらつく子どもたちもみられましたが、2度目以降はバッチリ。かなり表情もほぐれてきました。
▼直線を走り終えると、ちょうど頭の高さほどの布をくぐり抜けるポイントに。このように、自転車の運転を通じて、身のこなしやバランス感覚を養っていきます。
▼再び最年少のAグループ。次は「リング渡しゲーム」。スタッフから受け取ったリングを、別のスタッフが待つ場所まで自転車に乗って届けるゲーム。少しずつ往復のスピードも速くなり、すごく上手にリングを運搬していました。
▼これまたAグループ。お兄さんやお姉さんがやっていた曲線コースでの運転に挑戦。少し緊張しながら、曲線コースの上をうまく走行していました。
▼曲線コースを走り終えてピース!子どもたちの笑顔に、大人の心が癒されます♪
▼次は「ストップ・オン・ザ・リング」に挑戦。リングの中にタイヤを入れて止まるという動作が、Aグループの子どもたちにはやや難しいようにみえました。しかし楽しそうでした♪
▼こちらは「ボールゲーム」。自転車に乗りながら、スタッフが放つボールをよけるゲーム。当たると自転車から降りて自転車の周りを3周するなどのペナルティも。BグループやCグループの子どもたちはなかなかうまくよけていました。
▼一方のAグループの子どもたちはうまくよけれないことが多いのですが、ワイワイキャッキャと楽しそう。みんなで同じ方向に逃げるなど行動がカワイイ♪
▼最年長のCグループでは、手信号や後方確認などを組み込んだ実践的なゲームも。
▼こちらは「洗濯物干しゲーム」。布と洗濯バサミを自転車に乗って取りに行き、それらを持って帰ってロープに干すゲーム。これはグループ内で2チームに分け、どちらが多くの布を干せるかを競います。まずは布や洗濯バサミをとり。。。
▼猛ダッシュで物干しエリアに走り。。。
▼自転車にまたがったまま布を干す!競争心をくすぐりながらバランス感覚やチームワークを育むプログラムとなっています。
▼最後に各チームの干した枚数で勝負。BグループやCグループは白熱した良い勝負となりました。
▼最後に、三国先生の司会進行により、ご同行いただいた親の皆様からご意見をいただきました。「最初、子どもは嫌がっていたが、やってみるととても楽しそうに自転車に乗っていたので良かった」、「公道では怖くてできない身のこなしなどを教わる良い経験となった」、「ぜひ保育園・幼稚園や小学校などでも継続的に実施してほしい」などの評価をいただくことができました。ありがとうございます。
▼そして、各グループのスタッフからも一言ずつ感想と反省点を。
▼親やスタッフの意見を聞き、ロッテさんは、「今日は大成功だったと思う。いただいた意見をデンマークに持ち帰って、プログラムを見直してみたい」とのこと。他国の反応を見ながらも、継続的にプログラムを見直していく謙虚な姿勢に感服しております。
▼最後はやはり集合写真!皆さんお疲れ様でした~♪
▼本当に純粋でカワイイ子どもたちでした。彼ら・彼女らが自転車の楽しさを実感し、将来にわたって交通事故に遭わない・遭わせないよう成長してほしいですね。
以上、デンマーク式自転車教室の様子でした。
最高に素晴らしい青空のもと、子どももスタッフも親の皆さんも、みんなで楽しい時間を過ごすことができたように感じます。冒頭にも書いたとおり、これは日本式の「教育」や「指導」ではありません。
なので、できないからといって何度もやり直しをさせたり、こうしなさいと強制することもありません。あくまで自転車を使った「ゲーム」として純粋に楽しむ中で、知らないうちに自転車に慣れて、愛着を持ち、周りを気遣える大人になる。それによって健康や環境に良く、幸せな人生を送ることができるようになる。とても素晴らしい理念だと感じます。
しかし、そもそもなぜデンマークではこのような取り組みを幼少期から行っているのでしょうか?
その答えは、今後お届けする「後編」で。
ではまた。