まちネタ

加賀市でみつけた素敵なサドル昇降技術!

人とまちをつなぐコミュニケーションツール。

金沢レンタサイクルまちのり。

 

今回は、石川県西端の「加賀市」でみつけたレンタサイクルと、ぜひ「まちのり」の参考としたいサドル昇降技術をご紹介します。

加賀温泉郷のひとつ「片山津温泉」にあるインフォメーションセンター(観光案内所)では、「温モビ」という電気自動車レンタルサービスにあわせて、電動アシスト自転車のレンタルもおこなっています。

この電動アシスト自転車には、加賀ブランドの一つである「山中塗」などを活用した工夫が随所にみられ、中でもサドルの高さをワンタッチで調整できる新技術が導入されています。

以下、詳細は写真とともにどうぞ!

 

▼こちらが片山津温泉インフォメーションセンター。片山津温泉街の真ん中あたりに位置します。「温モビ」の看板も。

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▼こちらは「温モビ」の電気自動車。2人乗りで100kmほど走行可能。利用料金は1時間1,600円、3時間3,300円。加賀市内には温泉街のほかにも観光スポットが点在しているので、最新モビリティで巡るのも楽しそうですね♪

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▼こちらが電動アシスト自転車。山中塗を意識した3色展開。チェーンカバーには蒔絵の模様が施されています。20インチの自転車本体はパナソニック製とのこと。

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▼さりげなく、ブレーキケーブルもオシャレに♪

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▼こちらが本題のサドル。オレンジ色の部分を持ちあげながらワンタッチでサドルを上下させ、好みの高さで止めることができます。加賀市のサイクリストであるTさんや加賀まれびと交流協議会の方のお話では、美容室の椅子や点滴台に用いられている技術を応用しているとのこと。これは素晴らしい!

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▼こんな説明もついています。まだ試作段階とのことで多少のガタつきはありますが、まちのり自転車に採用してみたいと思うほどの出来栄え。チャレンジ精神に感服いたします!

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▼さらに、インフォメーションセンターでは、山中塗の大きなバスケットを借りることができます。自転車のカゴの大きさにぴったりなオーダーメイド。1個いくらするんだろう、という立派なバスケット。ぜひご活用を!

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▼先日、この電動アシスト自転車をお借りして、三国千秋先生(北陸大学名誉教授)、三国成子さん(地球の友・金沢)とともに加賀市内(大聖寺地区ほか)を少しサイクリングさせていただきました。とても乗り心地が良く、サドルもばっちり!個人的に、地面につま先が届くかどうかというくらいにサドルを高くして乗りたい派なので、サドルバーが長いのも嬉しかったです。サドルの説明をするTさん。

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加賀市で自転車といえば、加賀まれびと交流協議会が毎年開催しているレースイベント「温泉ライダーin加賀温泉郷」が有名ですが、じつは日本の自転車産業の歴史を考えるうえで極めて重要な役割を果たした企業「大同工業株式会社」があります。バイクや自動車、産業機械などのチェーン、車両のリムやホイールなどを製造しています。

同社の企業情報(歴史)を拝見すると、初代創業者の新家熊吉は、山中漆器の製造・販売問屋として海外に行商する中、自転車のリム(タイヤの内側の輪っか部分、ハブとスポークでタイヤの骨格をなす部分)が木製であることに気づき、国内では輸入に頼っていたことから、日本で初めて木製リムの製造・販売を始め、当時は国内の自転車のほとんどが大同工業の木製リムを使用していたそうです。その後、鉄製リムが主流となる中でも、唯一の国内メーカーとして当時の自転車産業を力強く支えてきました。

高度成長期に入る前の自転車産業の歴史を紐解くと、加賀市はとても重要なポジションにあったのではないかと思います。

そんな加賀市で今なお受け継がれるフロンティア精神。そこから考案されたサドル昇降技術。今後もチェックですね!

ではまた。